シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「こんなに危ない!?消費増税」オリラジ中田も絶賛【要点まとめ・レビュー】

こんなに危ない!?消費増税

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満足度 ★★★★☆

オリラジの中田敦彦さんがYoutubeで紹介して話題になった本。消費税についてはしっかり知っておきたい。

【要点・概要】

 消費増税は「百害あって一利なし」。これが本書の主張。ではなぜそうなのか見ていこう。

  • 日本の国債残高は1000兆円。しかし、資産も1000兆円。
  • 日本の国債とは政府の借金。日本の国債の内訳を見ると44.7%が日本銀行。日本銀行は政府の子会社であり実質考えなくても良い。残りの大半も国内の金融機関から借りている。つまり、国民のお金を借りているので、国民一人当たり900万借金があるという考えはおかしい。
  • 税収全体における消費税の割合は8%時で33.7%程度。これは消費税率25%のスウェーデンと同等。10%になると36.7%となる。
  • お金がない人ほど負担が大きいのが消費税。大企業には特殊な控除があったりするという。
  • 消費税の代わりに法人税が減っている。外国への輸出では税を取れないため、輸出戻し税というものも存在。輸出するだけで税金分が国から企業に帰ってくる。
  • 日本は借金が増え続けても金利は下がっている。これは財政破綻の恐れが低いという信頼があるから。ギリシャの財政破綻時は金利10%超え。リーマン・ショック時には資産を安全な日本に移す投資家も。
  • プライマリーバランスの黒字化は危ない。IMF(国際通貨基金)がギリシャとアルゼンチンにこれを勧めたところ財政破綻。政府が支出するお金より国民から取る税金の方が多くなるということ。
  • 緊縮財政が経済成長を妨げる。デフレは商品の価格だけでなく所得も下がる。

このように多くの問題点があり、過去にも消費増税によって深刻なデフレが起こってしまった例は多々ある。本書では、社会保障でなく経済成長目指していくことを主眼としている。