シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「ユダヤの商法」藤田田(ふじたでん) 幻の名著が復活!【要点まとめ・レビュー】

ユダヤの商法 藤田田 著

ユダヤの商法(新装版)

満足度 ★★★☆☆

日本マクドナルド創業者、藤田田。ソフトバンクの孫正義社長が度々会いに行ったという男。それほどの人間が最も活用してきたユダヤの商法とは。

【本書内容&感想】

ユダヤ人は世界中に1300万人ほどおり、国籍もバラバラである。そんなユダヤ人には偉人が多い。"ピカソ"、"ベートベン"、"アインシュタイン"、"キリスト"などだ。そして、圧倒的に長い歴史を持っている。このようなユダヤ人の優れた思考や商売術が書かれている。

まず出てくるのは78:22の法則。世の中の多くのことが78:22の比率になっていることが多いという。例えば、正方形と内接する円の関係や、空気中の酸素と窒素など。ユダヤの商売では、宇宙の法則すら武器にしている。商売においては、ユダヤ人は女と口を狙う。女性用品と口に入れる商品を扱うということ。お金を使う権限は女性に多く、口に入れる商品は消費されるので絶対に次が必要になるからである。藤田田も最初は海外の女性用のカバンを日本で販売しており、マクドナルドも口に関する商品である。

他にもユダヤ人の特徴としては、数字に強い事、見切りが速いこと、外国語ができること、契約や約束を絶対に守る事、など様々ある。借金をしてでも契約を守り、外国語を駆使して様々な角度から理解する姿勢は現代に必要に感じる。さらに、ユダヤ人にとって、時間は商品であり未決の書類は一切作らない。それでもって人生の目的は、おいしいものを心ゆくまで食べることである。

個人的に興味を感じたのは、金持ちで流行になれば2年もつということ。金持ちから大衆に流行が移り変わるのには2年かかるということであり、常に新鮮な情報を持っておく事にはアドバンテージを感じる。また、藤田田の「でん」という名前は外国人にとって呼びやすい名前らしく、もし複雑な名前だったら成功はなかったという。キラキラネームなども流行っているが、将来グローバル化した社会で生きていく子供に名前をつけるときには、外国人が覚えやすく呼びやすい名前という観点も持っておくと良いのかもしれない。

本書は"こうすれば必ず儲かる"という本である。ユダヤ人に言わせれば金儲けのできないやつはアホで低能。ユダヤからヒントを得て活かせる人間は強いように思う。