シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「読書する人だけがたどり着ける場所」読書始める人は見るべき【要点まとめ・レビュー】

読書する人だけがたどり着ける場所 斉藤孝 著

読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)
満足度 ★★★☆☆

せっかく読書しているなら読書の強みを知っておきたい。

【感想】

一ヶ月の読書時間ゼロの大学生が過半数を超えている。こんな中で,読書を活かせる人はかなりアドバンテージになると思います。現在は,情報を得る手段としてネットが主となっていますが,ネットと読書の最も大きな違いは「向かい方」。この価値の差はかなり大きい。

 「物知り」だから「深い人」にはならない。深さは教養から生まれる。教養とは本質を捉えて理解し,使いこなせる力である。孔子の「多くを学んで道理を知った者ではない。一つのことを貫く者だ。」といったセリフや人格には教養の本質が見え隠れしている気がする。また,読書によって育つ力で大きいことは認識力だと感じた。本を読むことによって情報に「潜る力」が極まり,深みを感じる力や複雑な楽しみに気づく力に繋がるということは非常に豊かなことであると思う。

今後の読書では,深いところでの認識や,情報としての読書と人格としての読書のつながりなども考えていきたい。本書では,対話によって無知の知を得ることや好きな文章を3つ選ぶことなど様々な読書に対する意識が書かれている。個人的に,クラッも含めて読書ということや完全に分からなくてもいい忘れてもいいという感覚を持っていると,今後の読書が少し楽になるように感じた。読書の効果は指数関数的で5冊読んでAランク。頑張っていこうと思いました。

著者が理系の人でもビジネスマンでも無いのが個人的に良かったかも。文学系の本に価値を見出していくきっかけになりそうです。