シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「GAFA」圧倒的壮大な企業が生まれた理由【要点まとめ・レビュー】

 GAFA 四騎士が創り変えた世界 スコットギャロウェイ 著

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

満足度  ★★★★☆

Google, Amazon, Facebook, Apple。純粋にかっこいい企業ですよね。なぜ成功したのか,どういったビジョンを持っているのか気になります。

【本書内容】

成功するビジネス・・・「脳」「心」「性器」に訴えかけること。

Amazon アマゾン ジェフ・ベゾス

今やアメリカ国民の52%がアマゾンプライムに入っている。人間のもっと集めるという本能をついて,小売業界の中で一人勝ちしている企業。企業と株主の関係も変わっており,利益の代わりにビジョンと成長を提供している。「最小の資本で最大の儲け」よりも「莫大な資本で他社が真似できないものを作る」といった考えを持っている。アレクサやアマゾンゴーなどもその例。また,アマゾンはグーグルの最大の顧客となっているが商品の検索に関してはアマゾンが上であり利益にも繋げやすい。

「脳」+「生物の本能」に訴えかけたビジネスといえる。

Apple アップル スティーブ・ジョブズ(旧)

ジョブズがに近い。店舗にも力を入れている。高級ブランド化して富裕層がターゲットであり,富裕層は世界共通なことが多いためアップルは世界展開しやすい。製品の価格は高いのに生産コストは安いといった独自の発展を遂げ,参入障壁が高く、最も生き残る可能性が高い。

「性器」に訴えかけたビジネスといえる。

Facebook フェイスブック マーク・ザッカーバーグ

人類の1/4が使用しており,毎日35分Facebookに時間をかけている。愛の原液とも言える、人との相互関係を築きあげる手段となっている。ユーザーは無償でfacebookのために働いているようなもので人が使うほどに価値が上がる。当初ほとんど無名だったインスタグラムも買収。情報の取り込む速さに関して,映像は言葉の6万倍であることなどにも早期から目をつけていた。広告が強いが,メディア企業ではなくプラットフォーム。規模とターゲティング能力を併せ持った企業。

「心」 に訴えかけたビジネスといえる。

Google グーグル 創業者 ラリー・ペイジ  (現 アルファベットCEO)

アルファベット社の子会社の一つ。質問をすべて返す神。人々は何でもgoogleに打ち明ける。上品でシンプルなホームページで広告の影響を受けないオーガニック検索。人々が何をしたいかを知っている。グーグルマップやアースなどを含め,世界中の情報を支配している。

「脳」に訴えかけたビジネスといえる。

四騎士の共通要素

①商品の差別化 ②ビジョンへの投資 ③世界展開 ④高感度 ⑤垂直統合 ⑥AI ⑦キャリアの箔付けになる ⑧地の利

NEXT GAFA

アリババ:中国のEC。世界展開△,中国という親ブランド△

ウォルマート:アマゾンと違って資本が高い。

テスラ:車版Apple。AI◯。世界展開△

マイクロソフト:リンクトインに強み。Windowsも90%。突出した強みが見られず十種競技者のような企業。

ウーバー:CEOの好感度が最悪。垂直統合×

エアビーアンドビー:ホテル業界のウーバー。世界◯。垂直統合×

IBM:昔のテクノロジー最大手企業。今はコンサルティングに強み。

回線4社(ペライゾン、タイム・ワーナー、AT&T、コムキャスト):デジタル時代に不可欠な企業だが、電話データの盗聴など世間から嫌われやすい。

超優秀にとっては最高,平凡にとっては最悪な時代。今後は競争と製品のサイクルが短くなり,すぐに結果が出る時代になってくる。富・情報・権力も都市に集中してきている。今後は,細かいことにくよくよせずに俊敏に動いて,何かを成し遂げた経験を少しでも持っている人間が強い気がします。