シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「未来の年表」冷静に日本ヤバいんじゃない!?【要点まとめ・レビュー】

未来の年表 河合雅司 著

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

満足度 ★★★☆☆

なんとなく人口減少が起こっている事は認識していましたが,予想以上に深刻なようです。

【本書内容・感想】

現在,人口減少は歯止めが効かなくなっている。そんな中で,減少を止めることに注力することは,現実と向き合っていないようなものである。本書では,人口減少は起こるものであると受け入れた上で,人口減少によって起こりうる様々な問題を予測し,どう対処する必要があるかを論じている。

これからの日本の課題は,1.出生率の減少,2.高齢者の激増,3.勤労世代の激減,4.これらが互いに絡み合って起こる人口減少,である。現在日本では,4人に1人は高齢者であり,これからもっと深刻になってくる。人口減少が進んでいる日本では,合計特殊出生率が上がっても未来の母親の数自体が減っているため出生数は増加しない。よって,人口減少は免れることができないのである。この人口減少や少子高齢化によって起こりうる問題は,介護問題や地方と都市の問題など多岐にわたる。私が印象的であったことは,2042年ごろに高齢者がピークを迎え最大の危機を迎えるということだ。私の世代が働いている時期であるので,将来しっかりと身構えておかなければいけないと感じた。世界の人口が増えていく中で,日本は人口が減少している。本当にヤバイ状況だと今になって理解しました。本書では,戦略的に縮むということを提案している。これからの日本について人口減少という観点から多くを考えさせられる一冊でした。