シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「サラリーマンは300万で小さな会社を買いなさい」【要点まとめ・レビュー】

サラリーマンは300万で小さな会社を買いなさい 三戸政和著

サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門 (講談社+α新書)

満足度 ★★★★☆

帯に堀江隆文さんの顔ががっつり移っていて,一瞬ホリエモンの本かと思ってしまいます笑。著者の三戸さんの会社は、ベンチャーキャピタル以外にも、バイアウト投資という投資した会社の事業に自らも関わって改善していくというビジネスをしている。会社を買うなんて考えた事も無かったので新鮮でした。

【本書内容】

箱を持っているかいないかで収入は大きく変わる。本書では,ゼロ→イチを作り上げる起業よりも,1→10を行う方がずっと楽で,大手企業に勤めているようなサラリーマンに個人M&Aを勧めている。

起業は997/1000は討ち死にしており,安定までには10年かかる。そんな苦しい起業をして5年後に残っている会社は23%以下で、ここまで残った会社のそれ以降の生存率は90%である。生き残った会社の地力は強く,このような会社のオーナー社長になってはどうか?と言うことを提案している。会社を買う=事業継承ということ。

社長になる力なんてあるのか?って思うかもしれないが,大手企業のサラリーマンにはもうそのスキルを持っているという。それは,大手企業のOJTで身につけたものである。実は大手企業は業務の進め方や仕組みが洗練されていて、中小企業は持っていないため,このスキルを活かせば十分に中小企業でも活躍していける。また,会社を買うことには,収入が上がることだけでなく,費用を経費で落とせることや,会社を売れることなどメリットは大きい。

そんな条件の良い会社が売っているのか?と思うかもしれない。だが,後継者不足に悩んでいる会社が増え,黒字でも廃業する会社は意外にも多い。事業は優れているのに経営が下手くそで赤字だったりトントンだったりする会社も多い。現在は「買い手市場」。

【感想】

大企業に就職することにも新たな良さが見い出せた。管理職として培った経験が経営に生きてくるということだが,自分の年だとまだそこまで意識しづらい部分ではあった。会社を買うことについては,今後に必要なお金なども知った上でしっかり検討していくべきだと感じた。