シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「DEATH「死」とは何か」死について知れちゃうの!?【要点まとめ・レビュー】

DEATH「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義  シェリー・ケーガン(著)

「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義満足度 ★☆☆☆☆

表紙がかっこよかった事と,「死とは何か」そりゃ気になるでしょ!という感覚で購入しました。

【感想】

率直な感想を言うと,読書始めて間もない僕には読んでいてもどかしかった。本書の進み方として、ある考えを提示すると、この考えはこういう場合には成り立たない、ではこの考えをすると、、、のように、反論の逃げ場を潰していくような進み方である。結局、答えは何なの?と思うことも多く、じれったかった。ただ、そこまで考えた上で結論を出している事に、哲学者の凄みを感じた。

本書ではまず「人が生き続けるとはどういうことか」といった話から始まる。色々説がある中で、筆者は「人格説」に賛成している。人格説とは、将来の自分が今の私と同じ人格を持っている時に生きているという事だ。生についてしっかり考えたことはなかったので参考になった。次に、人々は死を恐れるが「死はなぜ悪いのか」について論じている。この結論としての、剥奪説には納得である。死とは今後起こりうる良いこと剥奪するから悪いという事だ。また、死と生ついて様々に向き合った結果、人生は本質的に良い事であり、人生を出来る限り価値のあるものにするのは理にかなっていると本書には書かれていた。こういった考えを知り、もっと自分の価値を最大化していく事を考える必要があると感じた。また、死を恐れる事は不適切で、死に向き合って自ら考える事が重要であると感じた。

本書のような哲学書は中々読まないジャンルだったので、新鮮でした。ただ、今の僕にはまだ読みにくい部分もあったので,もう少し経験を積んだ後に読むことで分かることもあると思う。