シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点 」 資本主義の本質を知る【要点まとめ・レビュー】

人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点 木暮太一 著

人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点 (講談社+α文庫)満足度 ★★★★★  初めにざっくり感想を言うと,読んで良かったです。どう働いていくのが良いのかを考えるためのヒントや助けを与える一冊です。

【感想】

本書は給料の本質、決まり方を教えてくれた。日本の資本主義社会で生きる私達は,必要経費方式によって給料が決定される。資本主義経済の本質を知るには,「使用価値」と「価値」の違いを認識する必要があり,モノの値段や,私達の給料は「価値」が基準となっている。私達の給料は,労働の価値が基準となっており,労働の価値は「明日も同じように働くために必要な経費」に加え「その仕事をするためのスキルを得るのにかかった労力」で決まる。成果はプラスα程度であり,大企業で給料が高いのも需要が高い人材であることによるプラスαの部分である。給料の本質は労働の価値でほとんど決まっている。この仕組みを知ることは,企業が利益を生み出す仕組みを知ることにも繋がるものであった。私は,資本経済の仕組みをイマイチ理解しておらず,働いた分給料が貰えるものであると勘違いしていたかもしれない。本書を読むことで,このような仕組みを知った上で,自分個人の利益を増やすための働き方について考えることができるようになったことは非常に良かったと思う。その場のプラスαを目指して,あとに残らない努力をするよりは,土台を地道に積み上げていく。この意識を持てたことは,自分の働き方を考える上で良い材料になると感じた。