シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「言葉にできるは武器になる」伝わる人の言葉とは!【要点まとめ・レビュー】

言葉にできるは武器になる 梅田 悟司 (著)

「言葉にできる」は武器になる。

満足度 ★★★★

私は,大学院での発表や塾講師のアルバイト,他にも色々な人とお話をする時など,自分の考えを明確に伝えたいという場面は多いです。私の実感としては,まだまだ伝えきれてないという気持ちが大きいです。そこで読んだのがこの本です!

【感想】

言葉は思考の上澄みである。よって伝わる言葉を生み出すには,小手先の話法などに頼るのではなく,自分の意見を育てるしかない。それには,より内なる言葉に目を向け,思考に幅や奥行きを加えていくことが重要である。このような内容を読んで,私は改めて身の回りで伝わる言葉を生み出している人を思い返した時に,そういった人は共通して自分の意見を明確に持っていることに気づいた。話術が上手くても意見がしっかりしていないと伝わらないことには非常に納得である。本書では,自分の意見を育てるための方法や思考法を論じている。

内なる言葉の「解像度」を上げる。この解像度という言葉は,非常にイメージしやすいものであった。自分の内なる言葉の解像度はどうかについて考えた時,やはりぼんやりしていたのだ。私は,このぼんやりさに非常にもどかしさを感じ,なんとか解像度を上げたいと思った。人間には,「記憶域」と「思考域」というものが存在する。考えるという行為は思考域で行われる。しかし,人は考えている時,記憶域と向き合いながら考えてしまい,考えが進まないときがある。つまり,考えているようで思い出しているだけだ。この考えを進めるためには,記憶域を一旦外に出してやることが重要である。アウトプット,拡張,化学反応のサイクルを続けていくことで,思考に厚みが生まれる。このような内容を読んで,自分の思考が滞っている原因について気づかされ,もっと考えを書き出してクリアにしていくことの重要性を感じた。人間の伝わり方のレベルは,不理解⇒理解⇒納得⇒共感・共鳴のようである。今後は,本書で提案しているT字型思考法などの様々な考えを参考にし,共感・共鳴を生み出したいと思った。