シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「ハートドリブン」うんこミュージアムでも有名"アカツキ"社長の独自哲学【要点まとめ・レビュー】

ハートドリブン 塩田元規 著

f:id:shinread:20191217150223j:plain

アカツキという会社はあまり知らなかったが、NewsPicks本として出版されて非常に面白そうな印象を受けたので読んでみた。

【本書概要&感想】

 この本は"感じて分かち合う本"である。本書では、タイトル通り心を原動力とすることに価値を見出している。ゲームはまさに人が感情価値にお金を払っている最たる例であり、 アカツキがゲームからスタートしたのもこのためである。 さらにゲームの中でも正解のあるRPGでなく世界を自分で作っていくマインクラフトなどのゲームが人気となってきている。

現在、 世界のには以下のような3つの変化が起こっている。

  1. 便利 ⇒心の時代へ
  2. 画一的な価値観 ⇒ 多様な価値観を認め合う時代へ
  3. 透明性の加速。Doing ⇒ Beingの時代へ

このような中では感情的価値が大切になってくる。アップルのCMでは「何をやっているか」でなく「なぜやっているか」をひたすらに伝えたという。働くことも感情的価値を重視する時代になりつつあり、給料や福利厚生を見るだけでなくワクワクする方へ転職する人も増えてきている。そして、ネットの広がりによって価値観を理解する力を育むことができるようになり、共感できる誰かとも繋がれる時代であるため世の中に合わせて生きる必要もなくなり、自由に自己表現ができるようになってきている。このような時代、自分の内側を丁寧にあつかいインサイドアウトで生きていくことが大切になってくる。 ダメな自分も自分の一部であると認めることや、理解と同意を分けるといった考えも持っていたい。

 本書を読んでみて近い印象を受けたのは"世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか"という本。論理的に感情価値を読み解いたこの本に対して、ハートドリブンは塩田さんの実体験を通して、苦悩や幸福を共に感じながら共感とともに感情価値の重要さをイメージできるような本であると思う。分かち合える人を一人でも持つことが重要に感じる。