シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」林修先生も絶賛【要点まとめ・レビュー】

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

満足度 ★★★★☆

林修先生がテレビで紹介していた本! "ふろむだ"という有名なブロガーさんが書いた本です。

【感想】

自分の無意識が自分の知らないところで脳内の評価値を書き換えることを防ぐことはできない。思考の錯覚は本人にはほぼ気づけないのだ。人々が自分に対して持っている都合のいい錯覚を「錯覚資産」といい,これは一種の資産として機能する。錯覚力タイプは最初は実力は低いかもしれないが,勘違いによって良い環境が手に入り,必然的に実力が育ち,この実力が成果を生み,新たな錯覚資産が手に入る。これにより,結果的に実力タイプよりも遥かに大きい実力を得るのだ。

社会人の仕事は受験勉強とはゲームのルールが全く違く,思った以上に運と錯覚資産の影響が大きい。錯覚資産を築く上で重要なことはハロー効果。数値的にわかりやすいことや,小さく賭けて試行回数を重ねることなどをまずは意識していきたい。また,他人が自分を思い浮かびやすい状態作っておくことも非常に重要であると感じた。

また,人間は無意識に記憶の書き換えを行って判断しているときもある。このためには認識でなく現実を変える意識が必要であると感じる。このためには,他人の属性を利用する考えもあった。また,感情ヒューリスティックなど,良いものはメリットが大きくリスクが小さいものと見てしまうということも知っておきたい。

さらに印象的であったことは,は判断が難しいときはデフォルト値を選びやすいということ。判断が難しいときこそ直感があてにならないということには,気をつけたいしそのためには人間は思い浮かびやすい情報だけを使って判断しているということに気をつけ,偏らず広い情報を見ることが大事に感じた。逆に,錯覚資産を作り上げていくことに関しては一貫して偏ったストーリーが有効であることも覚えておきたい。

脳には自覚できない悪魔がいることがとてもやっかいだが,錯覚資産や運の要素が大きい社会のルールを受け入れ,上手く使いこなせば,複利的に錯覚資産や実力も生まれていくと感じる。