【書評】日本再興戦略 落合陽一の見る日本とは!
日本再興戦略 落合陽一
満足度 ★★★☆☆
注釈が多く, 少し難しめに感じる部分もあるが,非凡な考えを持っている人の意見は面白い。専門分野の圧倒的知識に加え,それを支える基礎教養から生まれる景色。
【感想】
日本は,欧米モデルから解き放たれる必要がある。欧米とは何か,何が良いのかの見極めをつけることが大事であり,現状は東洋的な考え(自然的なシステムや行間を読む文化)を持っているのに,生活は西洋的であるのだ。そんな日本には,非中央の地方分権による意思決定が向いている。日本は,昔から天皇が統治者で,実際に政権をもっていたのは官僚。また,歴史的にも中央集権的な秀吉より,非中央集権の徳川のほうが上手くいっている。インターネットも個人化し,テクノロジーの進化によって中心がAIであることになっても違和感少ないはず。また,ブロックチェーンによって地方自治重視にアップデートもでき,日本で自己完結のプラットフォームが大切。エストニアは国自体をiCOしている。そんなビットコインが普及するための問題としては,交換可能・皆が全体の利益意識すること(今は投機が多い)・ウォール街の投資銀行との戦いなどがある。ビットコインを最も保有している日本人が考えを変える必要もある。
他にも,士農工商というカーストや,拝金主義,デジタルネイチャー,文化は人の知の蓄積そのものであって一番価値高いこと,モチベーション格差,リーダー2.0など様々な意見があった。
私が最も印象的であったことは,日本にとって人口減少・少子高齢化が逆にチャンスとなるということだ。日本では,仕事を機械化するのにネガティブな圧力がかかりにくく,新しい実験をしやすい。これから中国筆頭に世界が高齢化したときに日本が最強の輸出国となり中国に売りたい放題。西洋はロボットが好きでないのに対し,日本は機械との親和性が高い。また,人材の教育コスト多くかけれることや,高齢者住宅を求めたお金持ちの移民も考えられる。そして、一つの専門性でトップになれば他の分野のトップにも会えるといったことも忘れないでいたい。
2022年にインドの人口が中国を超える
2024年には中国はアメリカのGDPを超える。
2035年にインドのGDPが中国を超える
経済・文化の中心はアジアへ向かっている。そんな中で日本再興を考える落合陽一の考えは貴重に思う。
「今ある選択肢の中で自分ができることはなにかな。まずやろう。」
「ポジションをとれ。とにかくやってみろ。」