シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「お金2.0」お金×経済 これからのお金を見直す【要点まとめ・レビュー】

お金2.0 新しい経済のルールと生き方

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

満足度 ★★★★★

ビットコインなどの仮想通貨が騒がれ出した時に、真っ先に売り出された本。今後の世の中では、知っていなければならないお金や経済の知識が埋め込まれている。

【本書内容】

Fintechという言葉が話題となっている。これは、金融の概念はそのままでITを用いて効率化していくFintech1.0と、金融の概念そのものが変わるFintech2.0に分けられる。本書のタイトルの2.0もこの数字からきている。テクノロジーの進化によって生まれたビットコインなどの仮想通貨は,これまでの法定通貨と全く違う仕組みを持ち,今後の経済の在り方を変えてしまう。

経済とは人間が関わる活動をうまく回す仕組みのことである。経済の要素としては,①報酬が明確,②リアルタイム,③不確実性,④ヒエラルキー,⑤コミュニケーションがある。これまでの経済は,中央の管理者が存在して,バランスを整えていた。しかし,ブロックチェーンという技術によって生まれた仮想通貨の概念によって,中央集権化⇒分散化の流れができている。これまでは国家が経済圏を作り上げてきたが,今後は企業や個人が経済圏を作り上げることができてしまうのだ。トークンエコノミーでは,あらゆるモノの価値を可視化しうる。お金には,保存,尺度,変換という機能があったが,これを成すのはもはやお金じゃなくてもいいのだ。このような社会ではお金そのものがコモディティ化し,自分の価値の保存法方が選べる時代になる。

【感想】

テクノロジーの進化によって生まれた仮想通貨などは,ものごとが上手く回る仕組みの本質をついて、自己発展的に成長し続けるよくできた仕組みであると感じる。また,著者は経済や自然との相関性を見出しており,根底部分から追及しているので非常に納得させられる一冊でした。