シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

「天才を殺す凡人」"転職の思考法"に続いて最強に読みやすい【要点まとめ・レビュー】

 天才を殺す凡人 北野唯我 著

天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ
満足度 ★★★★★

この著者のデビュー作である"転職の思考法”が面白かったので,本書も読んでみたくなりました!

【感想】

人間は「天才」「秀才」「凡人」の3種類に分けられる。それぞれに軸が存在し,天才は創造性、秀才は再現性(論理)、凡人は共感性だ。この軸の違いから天才と凡人の間ではコミュニケーションの断絶が起こり,これが天才を殺す要因となっている。しかも、天才の創造性というものは説明能力が低いことや,凡人の人数が天才よりはるかに多いことが更なる拍車をかけている。本書では物語形式で,3種の人間から生じるトラブルやそれぞれの強みを活かした働き方などが描かれていた。

創造性⇒再現性⇒共感性という消滅やコモディティ化へのプロセスや,3種の人間でそれぞれ主語が違うことは面白い内容であった。凡人でも共感の神として天才を理解して周りを上手く使いながら活躍していく姿は,多くの人が真似できることではないかと思う。また理系には数字に強いような秀才も多いと思うし、サイエンスを正しい方向に使うことが重要に思う。「配られたカードの中で如何に戦うか」。たとえ天才でなくても自分の特性や能力をしっかりと認識した上で,カードの使い方を知っていく必要があると感じました。